清須神明社 改修工事

御宮の地を移転から、築20年らしいですが

20年にも経たない間で胴板同士が空いてしまったまま、隙間から雨が流れ込む現象が起きております

今回、御縁から相談を受けたのが約3年前、何度か現地調査させてもらい

胴板を取り替える改修方法をプレゼンし、工事に入らせて頂いています

 

胴板とは
御宮の外壁内壁となる横張りの厚板を柱、桁、地覆の溝へ落とし込んだ板です
板と板のジョイントとなる箇所には、馬乗りと言われ山型で上部下部に加工し、噛み合わせて水留めを兼ねており
無垢板の特性の乾燥、湿気により一枚一枚が動きますが、振動等で追従して動きながら面を保ち、拝殿・弊社・本殿の外壁件内壁となっています

 

そして、今回の現地調査からの

問題点1
現在の馬乗り加工には肩を付けた本実加工の様にされ、水が下に切れなく横に溜まるか横に走ってしまい、小口に容易に水が廻ってしまう

問題点2

板の中で、上から下まで全ネジボルトとナットで緊結して一枚板にしてあり、無垢板の特性の膨張収縮する板の移動が、板の中のボルトの山が抵抗し動かず隙間が空いたままとなる

 

 

問題点3
馬乗りの雄・雌にボンドを付けて板同士を固め積層材状態、無垢板が痩せて動いてもボンドにより動けずで無理矢理に不自然な場所で繊維方向に割裂

問題点4
ボルトにより胴板をパネル化にし、建て方の効率化を図ったのはなかなかのアイデアと思いましたが、建て方時にパネルを差し込みを天地逆さを間違えて入れ、水を切るはずの馬乗りの山がV型の溝となり水が溜まり板の劣化を進めたりと

まだ色々ありましたが

 

 

社寺建築と無垢材を理解した者の発想の施工方法とは、悪い意味でかけ離れた今回の施工状況に

建設当時の宮司さん・氏子責任役員さん達が、寄付金を集め

地域氏子さん達へ説明をしながら大変な思いをして建てらた事、心中御察しします

 

そして、今回の改修工事は望月の経験上

建てながら落とし込まれた胴板を、ごそっと取り替える仕事は一度も無く

全てが逆勝手となる高難易度のケースですが

望月の説明で信じて任せて頂いた、宮司さんと氏子さん達に応える仕事をさせて頂こうと思って取り組んでいます

 

 

 

株式会社 望月工務店 / 望月建築設計室