創建より510年 豊橋市【曹洞宗 全久院】
今年11月に執り行われる、56年ぶりとなる「退董式・晋山式」に向け、伽藍の整備工事を進めております
【 左官工事 】
当初は本堂脇陣の損傷した壁の一部修繕と面での漆喰仕上げを予定しておりましたが
漆喰や中塗りの剥離作業を進める中で、土壁や小舞に経年劣化をはじめとする様々な要因が判明しました
これを受け、再び“100年持つ壁”を目指した復元工事へと方針を変更し、補修予定だった壁を全て落とし
現在は小舞掻きを終え、荒壁付けの工程へと進んでおります
左官工事と一口に言っても、巷でよく目にするメーカー既製品の漆喰をただ塗る作業とは、本質的に次元の異なる仕事です
本来の左官職人とは、伝統技術と素材への深い理解を礎に、手業によって空間に命を吹き込む者
その技と知識の継承こそが、真に価値ある仕事を次代へと繋ぐ要なのです
歴史ある全久院の、半世紀を超える大切な節目となる式典の準備に携わらせていただけることを、心より光栄に存じます
関係者の皆様と力を合わせ、丁寧に、そして確実に工事を進めてまいります
株式会社 望月工務店 / 望月建築設計室